雑記&SS格納庫。
萌えとかエロとかフリーダムに語ったり。 書き溜めてるけど置き場のないSSを格納したり。 コメントいただけると失禁するほど喜びます。
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突然古泉の頭を撫でたくなるキョン。
キョン古は原作がノベルという事で、ノベルの書き方にすごい悩みます。
私は基本的に三人称で書くんですが、原作は一人称ですよね。
で、やっぱり一人称の方が感じ出るかな、と思うけど原作のトレースはしたくないし……などと、至極真面目に考えてみたり。
↓のSSはその考えの末に、試しに一人称書いてみるべ、という事で挑戦してみた一人称。
結局、キョンの性格+口調を完全に把握できてないから一人称は難しい、という事がわかりました(笑)。
キョン視点の三人称、っていうのがしっくりくるみたい。難しいけど(笑)。
ノベル書くのってやっぱり難しいけど面白いなぁ、と思う今日この頃。
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それは唐突な思いつきで、
それは多分、相手が古泉でなくとも良かったんだ。
長門でも(多分長門なら無言で了承してくれる)、
朝比奈さんでも(いや、そんな恐れ多い)、
ハルヒでも(まぁしばき倒される覚悟が必要だろうが)。
単に、一番に目に入ったのが古泉だった。それだけの事。
…だと思う事にする。
「おや、僕が一番だと思ったのに。先を越されてしまいました」
部室の扉を開けた古泉が、俺の姿を認めてそんな言葉を口にする。
まったく悔しがっていないような声音で、にこやかに悔やんで見せるのはいつもの事だ。
「長門さんがいらっしゃらないのは珍しいですね。…涼宮さんはどうしました?」
「掃除当番。……おい、古泉」
長門の指定席に視線を向けて、今は無人のそこを確認すると古泉は呟き、それから思いついたように問いかけてきた。
で、何故朝比奈さんの名前を出さないんだ古泉。
そんな事を思いながら簡潔に問いに答えて、呼びかける。
なんともなしにコイツの顔を見たら、唐突に思いついた。
「何です?」
呼びかけると、古泉の視線が俺に向いた。
「こっち来い」
また簡潔に告げる。
古泉は不思議そうな顔をしながら、とりあえず扉を閉めて、歩み寄ってきた。
俺よりも少し背の高い古泉に視線を向けて、近くにある椅子を示して、
「座れ」
と、告げた。
古泉はますます不思議そうな顔をしながら、それでも素直に椅子に座った。
途端に目線が低くなる。良い眺めだ。
「……ええと、…何を…?」
「ちょっと頭貸せ」
「…あの、……暴力は、ちょっと」
何をしたいのかと問われて、直球とも遠回しとも取れる言葉を返すと、誤解した古泉がまた困った声を上げる。
「別に殴ったりはしない。…が、ちょっと我慢しろよ」
多少屈辱的かもしれないしな。
最後の一言は内心で呟いて、右手をのばした。
古泉の首が微かに竦むのが見えた。…が、構わずに、のばした手で古泉の頭に触れた。
俺の髪よりもずっと柔らかい(気がする)それを、さらさらと撫でる。
咄嗟に痛みを覚悟したような古泉は、その感触に驚いたような、戸惑ったような顔をした。
そりゃそうだ。…いきなり同級生に頭撫でられりゃ、驚くよな。
「……あの……?」
「何となく、撫でたくなっただけだ」
「…そうですか」
困ったような古泉の声にぽつりと呟くように告げると、古泉はふっと笑って、頷いた。
「……別に、お前じゃなくても良かったんだがな」
「そうですか。…じゃぁ、何となく僕にしようと思ってもらえて、幸運でした」
何が嬉しいのか、古泉はいつもの笑顔に戻って、俺の気が済むまで黙っていた。